VRChatter のためのセットアップガイド
このページについて
このページは、VRChat のワールドやアバターを作りたい人のための、ゼロからの完全ガイドです。
- プログラミング経験はゼロで大丈夫です
- 「コマンドプロンプト」「ターミナル」を開いたことがなくても、一つずつ説明します
- AI を使って、面倒な設定作業を自動化できるようになります
このガイドを最後まで進めると、AI に「VRChat のワールドをセットアップして」と話しかけるだけで、スポーンポイントやライティングが自動設定される環境が手に入ります。
必要なもの
| 必要なもの | 備考 |
|---|---|
| パソコン | Windows 10 / Windows 11 または Mac |
| インターネット接続 | ダウンロードに使います |
| 30分くらいの時間 | 慣れれば15分で終わります |
このガイドで使うソフトウェアは、すべて無料で利用できます(一部 AI サービスに有料プランがありますが、無料枠でも始められます)。
ステップ 1: Unity をインストール(10分)
Unity は、VRChat のワールドやアバターを作るためのソフトです。ゲームエンジンと呼ばれるものですが、難しいことは考えなくて大丈夫です。
1-1. Unity Hub をダウンロードする
- ブラウザで unity.com/download にアクセスします
- 「Download Unity Hub」と書かれたボタンをクリックします
- ダウンロードされたファイル(
UnityHubSetup.exe)をダブルクリックして実行します - インストーラーの指示に従って「Next」を押していきます
- インストールが完了したら「Finish」をクリックします
1-2. Unity Hub でアカウントを作る
- Unity Hub を起動します(デスクトップにアイコンがあるはずです)
- 「Create account」をクリックして、メールアドレスとパスワードを登録します
- 登録したメールアドレスに届く確認メールのリンクをクリックします
- Unity Hub に戻ってログインします
Unity は個人利用であれば無料です(Personal ライセンス)。ライセンスの選択画面が出たら「Personal」を選んでください。
1-3. Unity Editor をインストールする
ここが一番大事なポイントです。
- Unity Hub の左メニューから「Installs」をクリックします
- 右上の「Install Editor」ボタンをクリックします
- 「Archive」タブをクリックします(最新版ではなく、特定のバージョンが必要です)
- 2022.3.22f1 を探して「Install」をクリックします
VRChat SDK は Unity 2022.3.22f1 を要求しています。これ以外のバージョンでは SDK が正しく動作しません。最新版をインストールしてしまうと、後からやり直しになります。必ず 2022.3.22f1 を選んでください。
「なぜこのバージョン?」 と思うかもしれません。VRChat の開発チームが「このバージョンで動作確認しています」と公式に指定しているためです。
1-4. 初めてのプロジェクトを作る
- Unity Hub の左メニューから「Projects」をクリックします
- 右上の「New project」ボタンをクリックします
- テンプレート一覧から 「3D」 を選びます(3D Core と表示される場合もあります)
- 「Project name」に好きな名前を入力します(例:
MyVRChatWorld) - 「Location」でプロジェクトの保存先を確認します(デフォルトのままで大丈夫です)
- 「Create project」をクリックします
- しばらく待つと Unity Editor が起動します(初回は数分かかります)
ステップ 2: Node.js をインストール(3分)
Node.js は、OpenForge を動かすために必要なソフトです。裏方として動くものなので、インストールしたら特に触ることはありません。
2-1. Node.js をダウンロードする
- ブラウザで nodejs.org にアクセスします
- 画面に大きなボタンが2つ表示されます
- 「LTS」と書いてある方をクリックしてダウンロードします
LTS は「Long Term Support」(長期サポート版)の略です。安定して動くバージョンという意味なので、こちらを選んでください。もう一方の「Current」は最新機能が入っていますが、安定性では LTS に劣ります。
2-2. インストーラーを実行する
- ダウンロードされたファイル(
node-vXX.X.X-x64.msiのような名前)をダブルクリックします - インストーラーが起動します
- 全部「Next」を押していくだけで OK です
- 途中で「Add to PATH」というチェックボックスが表示された場合は、必ずチェックを入れてください(デフォルトで入っているはずです)
- 最後に「Install」をクリックし、完了したら「Finish」をクリックします
2-3. インストールできたか確認する
ここで初めて「コマンドプロンプト」を使います。
パソコンに文字で指示を出すための画面です。黒い画面に白い文字が出るやつです。怖く見えますが、ここではコピーして貼り付けるだけなので安心してください。
コマンドプロンプトの開き方:
- キーボードの Windows キー(左下の旗のマーク)を押します
- そのまま
cmdと入力します(検索窓に入力されます) - 「コマンド プロンプト」が表示されたら Enter キー を押します
- 黒い画面が開きます
確認コマンドを入力する:
黒い画面に以下を入力して Enter を押してください:
node -v
v20.11.0 のようなバージョン番号が表示されれば成功です。数字は異なっていても問題ありません。
Node.js のインストールがうまくいっていない可能性があります。ステップ 2-2 からやり直してください。インストーラーの「Add to PATH」にチェックが入っていることを確認してください。やり直した後は、コマンドプロンプトを一度閉じて、もう一度開いてから node -v を試してください。
ステップ 3: AI アプリを選ぶ
OpenForge は AI アプリと連携して動きます。ここでは、3つのパターンから自分に合ったものを選んでください。
パターン A: 完全無料で始める(学生におすすめ)
VS Code + GitHub Copilot の組み合わせです。GitHub Education プログラムを使うと、学生は無料で利用できます。
手順:
-
VS Code をインストールする
- ブラウザで code.visualstudio.com にアクセスします
- 「Download for Windows」をクリックしてダウンロードします
- ダウンロードされたファイルを実行してインストールします(全部「Next」で OK)
-
GitHub アカウントを作る
- ブラウザで github.com にアクセスします
- 「Sign up」をクリックしてアカウントを作成します
-
GitHub Education に申請する(学生の場合)
- ブラウザで education.github.com にアクセスします
- 「Join GitHub Education」から学生認証を行います
- 学校のメールアドレスまたは学生証が必要です
- 認証には数日かかることがあります
-
Copilot 拡張機能をインストールする
- VS Code を起動します
- 左側の四角が4つ並んだアイコン(拡張機能)をクリックします
- 検索欄に「GitHub Copilot」と入力します
- 「GitHub Copilot」をクリックして「Install」をクリックします
- GitHub アカウントでのログインを求められたら、ログインします
パターン B: 一番簡単に始める(おすすめ)
Claude Desktop を使う方法です。インストールしてすぐに使い始められます。
手順:
- ブラウザで claude.ai にアクセスします
- 「Download」からデスクトップアプリをダウンロードします
- ダウンロードされたファイルを実行してインストールします
- アカウントを作成してログインします
無料枠でも利用できますが、たくさん使う場合は月額 $20 の Pro プランがあります。まずは無料で試してみて、気に入ったらプランの変更を検討してください。
パターン C: 完全ローカルで動かす(プライバシー重視)
LM Studio を使う方法です。AI がすべてパソコンの中だけで動くため、データが外部に送信されることはありません。
手順:
- ブラウザで lmstudio.ai にアクセスします
- 「Download」をクリックしてダウンロードします
- ダウンロードされたファイルを実行してインストールします
- LM Studio を起動します
- 「Discover」タブから AI モデルをダウンロードします(おすすめ: パラメータ数 7B 以上のモデル)
LM Studio は AI をパソコン内で動かすため、ある程度のスペックが必要です。メモリ(RAM)が 16GB 以上、GPU(グラフィックボード)搭載のパソコンを推奨します。スペックが足りない場合は、パターン A またはパターン B をおすすめします。
ステップ 4: OpenForge をセットアップ(1分)
ここで OpenForge を自分の環境にセットアップします。コマンドプロンプトを使いますが、1行入力するだけです。
4-1. コマンドプロンプトを開く
ステップ 2-3 と同じ手順です:
- Windows キーを押す
cmdと入力する- Enter を押す
4-2. セットアップコマンドを実行する
以下のコマンドをコピーして、コマンドプロンプトに貼り付けて Enter を押してください:
npx openforge-mcp setup --mode vrchat
コマンドプロンプトでは、右クリック するとコピーした文字が貼り付けられます。Ctrl+V が効かない場合があるので、右クリックを試してください。
「何が起きているの?」 このコマンドは、ステップ 3 で選んだ AI アプリの設定ファイルを自動で書き込んでいます。AI アプリが OpenForge のツールを使えるようにするための設定です。
画面に [OK] と表示されたらセットアップ成功です。
「npx が見つからない」というエラーが出た場合は、Node.js のインストール(ステップ 2)がうまくいっていません。ステップ 2 をやり直してから、コマンドプロンプトを一度閉じて開き直してください。
ステップ 5: Unity プラグインを入れる(2分)
Unity 側にも OpenForge と通信するためのプラグインを入れます。
5-1. Unity でプロジェクトを開く
ステップ 1-4 で作ったプロジェクトを Unity Hub からダブルクリックして開きます。
5-2. Package Manager からプラグインを追加する
- Unity Editor の上部メニューから Window をクリックします
- ドロップダウンから Package Manager をクリックします
- Package Manager ウィンドウが開きます
- 左上の 「+」ボタンをクリックします
- 「Add package from git URL...」 をクリックします
- 以下の URL を入力して 「Add」 をクリックします:
https://github.com/openforgeproject/com.openforge.bridge.git
- インストールが始まります(数十秒かかります)
- 「Successfully added」のようなメッセージが出れば完了です
5-3. 接続テストをする
- Unity Editor の上部メニューから Tools をクリックします
- OpenForge をクリックします
- Setup をクリックします
- 表示されたウィンドウで 「Test Connection」 ボタンをクリックします
- 「Connected」 と表示されれば成功です
- AI アプリ(ステップ 3 で選んだもの)が起動しているか確認してください
- OpenForge のセットアップ(ステップ 4)が完了しているか確認してください
- Unity Editor を再起動してみてください
ステップ 6: VRChat SDK を入れる(5分)
VRChat にワールドやアバターをアップロードするには、VRChat 公式の SDK が必要です。
6-1. VRChat Creator Companion (VCC) をダウンロードする
- ブラウザで vrchat.com/home/download にアクセスします
- VRChat のアカウントでログインします(アカウントがない場合は作成してください)
- 「Download the Creator Companion」をクリックしてダウンロードします
- ダウンロードされたファイルを実行してインストールします
6-2. VCC を起動してプロジェクトを追加する
- VCC(VRChat Creator Companion)を起動します
- VRChat アカウントでログインします
- 左メニューの「Projects」をクリックします
- 「Add」ボタン をクリックします
- 「Add Existing Project」を選びます
- ステップ 1-4 で作った Unity プロジェクトのフォルダを選択します
6-3. SDK をインストールする
- 追加したプロジェクトの 「Manage Project」 ボタンをクリックします
- 「VRChat SDK - Worlds」または「VRChat SDK - Avatars」の横にある 「+」ボタン をクリックします
- ワールドを作りたい場合は Worlds を選びます
- アバターをセットアップしたい場合は Avatars を選びます
- 両方入れても大丈夫です
- インストールが完了するまで待ちます
- 「Open Project」 をクリックして Unity を起動します
Unity が起動したら、上部メニューに 「VRChat SDK」 という項目が追加されているはずです。これが確認できれば SDK のインストールは成功です。
ステップ 7: 試しに話しかけてみる
全てのセットアップが終わりました。実際に AI に話しかけて、VRChat の制作を始めてみましょう。
Unity プロジェクトを開いた状態で、AI アプリを起動してください。
以下のように話しかけてみてください:
例 1: ワールドの基本セットアップ
VRChatのワールドの基本セットアップをして
AI が以下のことを自動で行います:
- VRC_SceneDescriptor の配置(ワールドの基本設定コンポーネント)
- スポーンポイント の設定(プレイヤーが最初に出現する場所)
- ライティング の基本設定(明るさの調整)
例 2: ミラーを配置する
ミラーを正面に置いて
AI が VRChat 用のミラーオブジェクトをシーンに配置します。VRChat でアバターの見た目を確認するためのミラーです。
例 3: パフォーマンスの確認
パフォーマンスランクを確認して
AI がワールドやアバターのパフォーマンスランク(Excellent / Good / Medium / Poor)を判定します。VRChat では、パフォーマンスランクが高いほど多くのプレイヤーに快適に利用してもらえます。
日本語で自然に話しかけてください。例えば「椅子を3つ並べて」「BGM を追加して」「ライティングをもう少し暗くして」など、やりたいことをそのまま伝えるだけで AI が対応します。
うまくいかないとき
「node が見つからない」と言われる
原因: Node.js のインストール時に「Add to PATH」が正しく設定されていない可能性があります。
対処法:
- Node.js のインストーラーをもう一度実行します
- 「Repair」または「Modify」を選びます
- 「Add to PATH」にチェックが入っていることを確認します
- インストール完了後、コマンドプロンプトを一度閉じて、新しく開き直してから
node -vを試してください
AI が OpenForge のツールを認識しない
原因: AI アプリが古い設定のまま起動している可能性があります。
対処法:
- AI アプリを完全に終了します(ウィンドウを閉じるだけでなく、タスクバーの通知領域からも終了してください)
- AI アプリを再起動します
- もう一度話しかけてみてください
Unity でプラグインが見つからない
原因: Package Manager での追加がうまくいかなかった可能性があります。
対処法:
- Unity Editor の上部メニューから Window > Package Manager を開きます
- 左上の 「+」ボタン をクリックします
- 「Add package from git URL...」 をクリックします
- もう一度 URL を入力して「Add」をクリックします
VRChat SDK が入らない
原因: Unity のバージョンが合っていない可能性が高いです。
対処法:
- Unity Hub の「Installs」で、インストールされている Unity のバージョンを確認します
- 2022.3.22f1 でない場合は、正しいバージョンをインストールしてください
- VCC(VRChat Creator Companion)でプロジェクトを開き直してください
VRChat 関連で「うまくいかない」場合、まず最初に Unity のバージョンを確認してください。2022.3.22f1 以外のバージョンでは、SDK が正しく動作しないことがほとんどです。
次にやること
セットアップが完了したら、実際に制作を始めてみましょう:
- ワールドを作ってみる -- 最初のワールドを作成してアップロードするまでの手順
- アバターをセットアップする -- アバターの導入と基本設定
- 衣装を着せ替える -- アバターの衣装変更の手順
- 揺れ骨を設定する -- PhysBone を使った髪やスカートの揺れ設定