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設計理念

OpenForge MCP がなぜ無料なのか。なぜこういう設計になっているのか。


AIツールは高くあるべきじゃない

AIを使ったクリエイティブツールが次々と登場しています。その多くが有料です。月額制もあれば、買い切りで数千円から数万円するものもあります。

でも、冷静に考えてみてください。

Unity を操作する MCP ツールの中身は、ほとんどが「決まった API を決まった順番で呼ぶ」だけです。GameObject.CreatePrimitive() を呼ぶ。Undo.RegisterCreatedObjectUndo() で記録する。結果を JSON で返す。

これは「固定ロジック」です。毎回判断が変わるような高度な処理ではありません。

高度な判断をしているのは AI (Claude, GPT, Gemini) の側であって、MCP ツール側ではありません。ツール側は「指示通りに API を叩く」だけ。

そんなものに何千円も払う必要があるのか。私たちはそう考えました。


AIにやらせるべきこと、ツールがやるべきこと

ある開発者がこんな話をしていました: https://x.com/i/status/2038958744852394412

「Claude Code に全部やらせていたら、トークン代が想定の2倍以上になった。冷静に考えれば当たり前だった。RSS の巡回みたいな固定ロジックを AI にやらせていた。高級シェフに皿洗いをさせていたようなものだ。」

これは MCP ツールにも当てはまります。

AIがやるべきこと:

  • 「何を作るか」を判断する
  • ユーザーの曖昧な指示を解釈する
  • 結果を見て「もっとこうした方がいい」と判断する
  • 複数のステップを組み立てる

ツールがやるべきこと:

  • 指示された通りに Unity / Blender / Godot の API を叩く
  • 結果を構造化して返す
  • エラーが起きたら報告する

ツールは「仕込み」です。AI は「味付け」をする。仕込みの部分にお金を払わせるのは筋が違います。


OpenForge MCP の設計原則

1. AIのトークンを無駄にしない

ツールの情報を全部 AI に渡すと、コンテキストがすぐに埋まります。620以上のツール定義を毎回読み込んだら、それだけで大量のトークンを消費します。

OpenForge は3つのメタツールだけを AI に見せます:

list_categories → list_tools → execute

AI は必要なときにだけツールの詳細を読み込みます。使わないカテゴリの情報は読まない。これだけでコンテキストの圧迫を大幅に抑えられます。

高いツールを買ったうえに、トークン代まで高くなる。それではユーザーが二重に損をします。

2. 固定ロジックにお金を取らない

create_gameobject の中身を見てください:

var go = GameObject.CreatePrimitive(PrimitiveType.Cube);
go.name = name;
Undo.RegisterCreatedObjectUndo(go, "Create " + name);

これは固定ロジックです。誰が書いても同じになります。毎回判断が変わる処理ではありません。

こういうコードを有料で売るのは、コミュニティが長年蓄積してきた知見にフタをして値札を付けるようなものです。Unity の API ドキュメントは無料で公開されています。その API を呼ぶだけのラッパーに値段を付ける理由はありません。

3. 判断はAIに、実行はツールに

OpenForge が他と違うのは、判断を要する部分をツール側に持たせていないことです。

例えば Visual Feedback。AI がスクリーンショットを撮って、自分で「これでいいか」を判断します。判断するのは AI です。ツールは「スクリーンショットを撮って返す」だけ。

AI Playtest も同じです。ツールは「PlayMode に入る」「ログを取る」「スクショを撮る」という固定ロジックを実行するだけ。「このバグは深刻か」「FPS が低い原因は何か」を判断するのは AI です。

この設計なら、AI が賢くなるほどツールの価値も上がります。ツール自体を買い替える必要はありません。

4. コミュニティの力を閉じ込めない

有料ツールには構造的な問題があります。ユーザーがバグを見つけても、改善案を思いついても、コードに触れません。開発元の対応を待つしかない。

OpenForge は MIT ライセンスです。誰でもコードを読めるし、直せるし、ツールを追加できます。

C# で1行のアノテーションを付けるだけで、自作のツールを MCP に公開できます:

[OpenForgeTool("my_tool", "説明")]
public static void MyTool(string param) { ... }

Python なら:

@openforge_tool("my_tool", "説明")
def my_tool(param: str) -> dict: ...

コミュニティが育てたツールはコミュニティのものです。それを閉じ込めて売るのではなく、誰でも使えるようにする。そのほうがエコシステム全体が強くなります。


まとめ

  • AI ツールの「ツール部分」は固定ロジックだ。高くあるべきじゃない。
  • AI のトークンを無駄にしない設計が、ユーザーのコストを下げる。
  • 判断は AI に任せ、ツールは実行に徹する。
  • コミュニティの知見はコミュニティのもの。

OpenForge MCP は無料です。これからもずっと無料です。